ついに登録勧告!西表島が世界自然遺産へ!
目次
西表島の世界自然遺産登録が決定!
世界遺産委員会は2021/07/26に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」世界自然遺産に登録すると決めました。国内の世界自然遺産登録は東京都の「小笠原諸島」に続き、2011年以来5件目の登録となります。
2017年に初めて西表島が世界自然遺産に推薦されましたが、当時は世界遺産委員会より「登録延期」を勧告されました。日本政府は委員会からの指摘を踏まえ、保護地域を広げるなどの対応をとり2019年に再び推薦し、遂に登録が決定いたしました。
竹富町長も以下の通りコメントを残しています。
「われわれが祖先から受け継いできた西表島の豊かな自然環境が、登録基準である「生物多様性」に関する顕著で普遍的価値があると認められた。誠に喜ばしいことだ。しかし、西表島では既に自然環境保全上や観光管理上の課題を抱えており、遺産登録によって西表島の自然が失われてはならない。遺産登録は町にとっても重要な節目だが、ゴールではない。登録を契機に一層取り組みを加速させ、今後も西表島の価値を世界へと引き継いでいくために、国や県、関係機関と共に束となって取り組んでいく。」
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沖縄・奄美に世界遺産登録勧告!
2021年5月10日。既に29℃と夏並みに暑い西表島に、熱いニュースが飛び込んできました。
「国連教育科学文化機関『ユネスコ』の諮問機関『国際自然保護連合(IUCN)』が、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」を世界自然遺産に登録するように勧告を出した」
とのこと。長年世界自然遺産登録を目指してきた西表島にとっては超大きな前進となるこのビッグニュースに、現地も注目しています。
そもそも世界遺産とは?
世界遺産とは世界遺産条約で「顕著な普遍的価値」を有すると認められる文化や自然のことです。
「顕著な普遍的価値」とは、平たく表現すると
「世界中の誰が見ても、ユニークで価値があることは明らかだよね」
といったところでしょうか。
世界遺産は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で決定され、世界共通の人類全体の財産として保護の対象となります。世界遺産はその内容によって、自然遺産・文化遺産・複合遺産に分類されます。
主な自然遺産
- グレート・バリア・リーフ(オーストラリア)
- イエローストーン国立公園(アメリカ合衆国)
- バイカル湖(ロシア)
- 知床(日本)
主な文化遺産
- タージ・マハル(インド)
- 万里の長城(中国)
- 古都京都の文化遺産(日本)
主な複合遺産
- マチュ・ピチュの歴史保護区(ペルー)
- タスマニア原生地域(オーストラリア)
- ロックアイランド群と南ラグーン(パラオ)
日本国内で最後に世界自然遺産に登録されたのは、東京都の小笠原諸島(2011年)です。
世界自然遺産登録の条件・基準
世界自然遺産登録には高い登録基準が設けられており、申請すれば簡単に登録できるわけではありません。
世界自然遺産に登録されるには、その地域の価値の独自性(どれだけ独自でユニークであるか)や十分な規模(ある程度の規模を持っていなければ保護・保存が困難)、その場所の価値の保全・保護の担保(その場所の価値を保存し守っていくための具体的な対策や計画が充実していること)などが基準として設けられています。
どれだけ自然が豊かでも独自性がなければいけませんし、独自性があったとしても規模が小さすぎたり、その独自の自然価値を守っていくことができない状態と判断された場所は、世界自然遺産の登録基準を満たせません。
西表島が世界遺産候補地として推薦された理由
西表島は沖縄県内で沖縄本島に次いで2番目に面積が広く、島の8割が国有林で、絶滅危惧種のイリオモテヤマネコをはじめとした独自の生態系を持ちます。
こうした自然環境が、先述の基準を十分満たすと考えられ、奄美大島・徳之島・沖縄島北部とともに、日本政府より推薦されてきました。
ついに!西表島に世界自然遺産「登録勧告」
そんな「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」に対して、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である「国際自然保護連合(IUCN)」が「登録勧告」を出しました。文字通り世界遺産登録を勧告する内容のものです。
「勧告」とは?
世界遺産委員会で正式に世界遺産登録を決定する前段階(約6週間前)で発表されるもので、この内容をもとに正式な決定がなされます。
勧告内容は以下の4段階に分かれています。
- 「登録」(世界遺産へ登録)
- 「情報照会」(追加情報の提出を求める)
- 「登録延期」(より綿密な調査や推薦書の本質的な改定を求める)
- 「不登録」(世界遺産へ登録しない)
基本的にはこの勧告内容に則って正式な決定がなされるため、この勧告のタイミングで「登録」の評価がなされた場合、世界遺産の登録はほぼ内定したとみてよいでしょう。
西表島だけじゃない!登録勧告を受けた推薦地
今回の世界自然遺産登録勧告を受けたのは「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」という4つの地域の複合体です。
奄美大島
青く透明な「アマミブルー」の海や大規模な原生林、アマミノクロウサギなどで有名です。
徳之島
奄美群島の離島の一つで、「東洋のガラパゴス」と称されるほどの生物の宝庫です。
沖縄島北部
俗にいう「沖縄本島」の北部地域です。ヤンバルクイナやノグチゲラなどの固有の生物が棲む豊かで独特な自然が特徴です。
過去に「登録延期」勧告を受けたことも
実は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」は2018年に、この諮問機関より「登録延期」の勧告を受けています。理由としては以下のような課題が指摘されたようです。
- 沖縄島北部や奄美大島での対象地域が飛び地となっており、独立した生態系として十分な規模を確保できているかどうかが疑問
- 西表島や沖縄県北部において固有種であるイリオモテヤマネコやヤンバルクイナのロードキル(車でひき殺してしまうこと)が発生していること
- 奄美大島のアマミノクロウサギが外来種に捕食されていること
世界遺産登録の基準がいかに厳しいかが伝わってきますね。今回はこうした課題を克服し、世界遺産登録勧告にこぎ着けたようです。
2021年7月に世界自然遺産に正式決定
西表島を含む4つの地域の正式な世界自然遺産登録は2021年の7月。正式に登録されれば、日本国内の世界自然遺産としては5例目となります。
国内における世界自然遺産登録地(2021年5月11日現在)
- 屋久島/鹿児島県(1993年)
- 白神山地/青森県・秋田県(1993年)
- 知床/北海道(2005年)
- 小笠原諸島/東京都(2011年)
【追記:2021年7月27日】西表島の世界自然遺産登録が決定しました!
世界遺産委員会は2021/07/26に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」世界自然遺産に登録すると決めました。国内の世界自然遺産登録は東京都の「小笠原諸島」に続き、2011年以来5件目の登録となります!
西表島の楽しみ方
大自然を満喫!アクティビティツアー
この記事を読んで「西表島をもっと知りたい!」「西表島を観光してみたい!」と思った方も多いはず。
では西表島はどうやって楽しむのか?西表島では何をすればよいのか?気になりますよね。
答えは簡単です。現地のアクティビティ体験ツアーに参加することです。
世界遺産レベルの大自然を誇る西表島。とんでもない話ですが、西表島は自然が豊かすぎて、個人で観光することがほぼ不可能なのです(大げさではなく本当の話です)。
西表島には様々なネイチャーアクティビティショップが存在します。こうしたショップが開催するツアーに参加することで初めて西表島を満喫することができます。
カヌー(カヤック)やSUPでマングローブ林を進み滝を目指したり、世界レベルの海でシュノーケリングをしたり。
鍾乳洞探検(ケイビング)や渓谷でのキャニオニング(沢下り)などの天然のアスレチック体験もできます。
また「奇跡の島」と称されるサンゴでできた島「バラス島」や、沖縄県最大の「ピナイサーラの滝」など、名所も多数。ネイチャーアクティビティや体験ツアーの聖地といわれています。
加えて西表島の星空は日本初の「星空保護区」に認定されており、夜になると満点の星空に包まれます。
逆に西表島観光で最もNGなのがノープランで西表島に突撃すること。周りの観光客が続々とツアーに参加する中、港周辺に取り残されることになります。
西表島アクティビティ体験ツアー専門の西表島ツアーズは、厳選された現地アクティビティツアーを掲載しております。
世界自然遺産の大自然を全身で体感するにはツアーへの参加が不可避。西表島ツアーズで人気のアクティビティツアーを是非チェックしてみてください。
「イッテQ」でも話題沸騰!?西表島のアクティビティ
自然豊かな西表島は、各種撮影のロケ地にもなっています。
近年では人気バラエティ番組「世界の果てまでイッテQ!」のロケ地として、たびたび撮影が行われています。
人気お笑い芸人の宮川大輔さんをはじめとした「宮川探検隊」シリーズや、出川哲郎さんとデヴィ夫人の掛け合いが人気の「出川女子会」シリーズの舞台となりました。
壮大な自然の中での鍾乳洞探検やキャニオニング、滝を目指すカヌーやトレッキングの様子が放送され、話題となっています。