絶滅危惧種イリオモテヤマネコと会うには?生態・特徴・生息地をご紹介
目次
西表島に行ったら会いたい!
イリオモテヤマネコについて徹底解説
「西表島」と聞くと、まず「イリオモテヤマネコ(英語:Iriomote cat)」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
西表島には、多くの野生生物が生息し、亜熱帯の大自然が色濃く残っています。
◆世界遺産西表島の野生生物を観察したい方
◆イリオモテヤマネコを詳しく知りたい方
◆家族や子供と一緒に学びたい方
◆珍しい動物や自然の風景を撮影したい方
今回は、西表島だけに生息するイリオモテヤマネコについて詳しくご紹介します。
イリオモテヤマネコの基本情報
イリオモテヤマネコは、ベンガルヤマネコ属に属するネコ科の亜種です。その姿はヒョウ柄模様が特徴的なベンガルネコに少し似ており、都市部でよく見かける野良猫とは異なる独特の外見を持っています。
約24万年前、イリオモテヤマネコの祖先が大陸から琉球諸島へ渡り、現在の西表島に定住したと言われています。
初めて発見されたのは1965年、西表島南西部の船浮集落。今は年々減少しており絶滅危惧種に指定されています。
◆英名:Iriomote Cat
◆方言名:ヤマピカリャー、ヤママヤー
◆生息域:沖縄県西表島にのみ生息
◆推定生息数:約100頭(2008年時点)減少傾向
◆頭胴長:約50~60㎝
◆体重3~5㎏
西表島のみに生息する固有種
イリオモテヤマネコは国の天然記念物に指定されています。
初めて発見されたのは1965年で調査の結果、西表島の固有種ということが判明しました。
◆1977年:国指定特別天然記念物に指定
◆1994年:国内希少野生動植物種に指定
◆2007年:絶滅危惧IB類からIA類へ
イリオモテヤマネコは何を食べる?
イリオモテヤマネコは雑食性で、昆虫や爬虫類、さらには哺乳類まで、幅広い種類の生き物を餌としています。
多様な食性を持つため、島内のさまざまな環境で食料を見つけることができ、非常に適応力が高いです。
猫は水を嫌うイメージですが、イリオモテヤマネコは水に苦手意識がなく川に飛び込んだり潜水したりして魚を捕まると言われています。
夜行性の絶滅危惧種!
イリオモテヤマネコが絶滅危惧種の理由
イリオモテヤマネコは夜行性のため、夜に見られる事が多いですが、現在は100頭ほどしか生息していないと言われています。
イリオモテヤマネコが減少した原因は多くは交通事故だそうです。西表島は交通量が少ない島でしたが、近年は西表島への移住者が増えてきました。
現在は絶滅危惧種に指定され、動物用トンネルを設置したり、イリオモテヤマネコの標識を立てるなど、保護運動が行われています。
西表島は世界自然遺産に登録されるほど島の90%以上が未開拓な自然環境が保護されている場所です。
一方で観光地化が進んでいます。生息地として適さない環境へと少しずつ変化しているのかもしれません。
◆交通事故
近年西表島への移住者が増え、車の行き来が多くなりました。特に夜は街灯がなく暗いため、道路へ飛び出してきたヤマネコと接触する事故が頻発しているのです。
◆外来種(外来生物)
イリオモテヤマネコは外来生物に捕食されることはなく、むしろ外来生物を捕食することで命を落とすことが多いとされています。特に、外来種のオオヒキガエルや毒を持つ動物を誤って食べ、中毒死するケースが報告されています。
◆FIV
飼い猫などでも問題となるFIV(ネコ免疫不全ウイルス感染症)、通称猫エイズによる死亡がイリオモテヤマネコでも懸念されています。こ特に希少種であるイリオモテヤマネコにとって、感染の拡大は生存に深刻な影響を与えるため、保護活動における大きな課題の一つとなっています。
イリオモテヤマネコの特徴
飼い猫(イエネコ)とは異なり西表島で独自の進化を遂げてきたイリオモテヤマネコは、耳の形や体の模様に特徴があります。順番にご紹介します!
①耳の形
ヤマネコらしき動物を見たら耳の形をチェックしましょう!
イエネコの耳は先がとがっているのに対して、ヤマネコは丸い形をしています。また、ヤマネコの耳の後ろには虎耳状斑と呼ばれる白い斑点があります。
②目の模様
目の周りに白い縁取り模様があるかを確認しましょう!どのヤマネコにも白い縁取り模様があります。
③鼻の形
余裕があれば、鼻も見てみてください。イエネコに比べると鼻が幅広でやや大きく見えます。
④体型
イエネコ(飼い猫)に比べると体系が全体的にずんぐりとしています。さらに足が太くがっしりとしていて、尾が太いです。
*イエネコに比べると、牙が大きく肉球も大きいなどの違いもありますが、野外でそれをチェックすることは不可能に近いです。
◆目のまわりに白い縁取りがある
◆額に縦じま模様がある
◆胴長で短足
◆約3~5kg(50~60cm)
◆しっぽ太い
◆肉球や牙が大きい
イリオモテヤマネコとイエネコの関係
西表島では、イリオモテヤマネコとイエネコの間での交配や感染症拡大を防ぐため、西表島の属する竹富町による「竹富町ネコ飼育条例」(通称「ネコ条例」)という条例の下、以下のネコ飼育のルールが定められています。
- ウイルス検査
- ワクチン接種
- マイクロチップ装着
- 避妊去勢手術
- 竹富町への登録
イリオモテヤマネコとの遭遇率
西表島を訪れたら、どこでも簡単にイリオモテヤマネコに会えるのでしょうか?
残念ながら、答えは「いいえ」です。森の中を歩いて探して回っても出会える確率は限りなくゼロに近いです。
ただ西表島ツアーズ掲載の星空鑑賞ナイトサファリツアーでは、以前イリオモテヤマネコと遭遇したポイントで開催することが多いです!運が良ければ会えるかも...♪
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イリオモテヤマネコの生息地
イリオモテヤマネコは夜行性で基本的に森の中で暮らしています。
彼らは性能のいい耳と鼻を持っているので、仮に近くに潜んでいたとしても、こちらが気が付く前にどこかへ行ってしまうでしょう。
専門家は何ヶ月も痕跡を調査してから、出没頻度の高い場所を調べて様々な手段でアプローチをしていますが、一般旅行者はそんな時間は取れず、大変なので難しいと思います。
もし森の中で偶然の出会いを狙うとしたら、ジャングルの中で場所を決めてじっと動かず待ち続けるほかありません。
徒労に終わる可能性が高いことを覚悟しておいた方が良いですが、万が一見ることができたら本当に貴重な体験になります。
ドライブ中に遭遇することもある?
西表島には道が1本しかありません。南東の大原港エリアと北西の上原港エリア結ぶ県道が一本だけ通っています。
この県道をドライブ中、イリオモテヤマネコが道路を歩いている場面や交通事故でケガをしているところを見かけた人はいます。
事故防止のためにイリオモテヤマネコが生息しそうな場所では、様々な種類の標識や看板が立っています。
イリオモテヤマネコが現れそうな場所にはそれぞれ「B-1」「C-2」などといった特定のIDが付与されいます。
西表島の「動物飛び出し注意」を促す標識も、もちろんイリオモテヤマネコです。
西表島では、イリオモテヤマネコのロードキル(車がイリオモテヤマネコをひき殺してしまうこと)問題が深刻になっています。
イリオモテヤマネコの行動が活発になる夜明けや夕暮れ前後の時間帯は、特にイリオモテヤマネコがいきなり飛び出す可能性が高いので気を付けてください。
イリオモテヤマネコだけでなく、西表島では様々な生物が道路を歩いています。運転速度は集落内30km/h、島内40km/hの「ヤマネコ速度」で運転しましょう!
イリオモテヤマネコを知りたい方向け
西表島野生生物保護センターに行こう!
イリオモテヤマネコについて紹介してきましたが、もっと詳しく知りたい方は、西表島野生生物保護センターに行くのがおすすめです。
上原港から車で約35分のところにあり、西表島の希少生物を保護するためにできた施設です。
センター内ではイリオモテヤマネコだけでなく、リュウキュウイノシシのはく製やケガをしているヤマネコが保護されています。
西表野生生物保護センターは絶滅危惧種の生物や西表島ならではの生物を知られる博物館なので、大人も子供も楽しめます!
無料で施設内をお楽しみ頂けますが、朝10時〜17時まで、月曜日は休みなので、観光に行く際は気を付けてくださいね。
↓ 西表野生生物保護センターについて ↓
↓西表野生生物保護センターに立ち寄るツアー↓
イリオモテヤマネコが発見された場所
イリオモテヤマネコ発見捕獲の地もおすすめ!
最初にイリオモテヤマネコが発見された場所として、民家の軒先に「イリオモテヤマネコ発見捕獲の地」と記念碑が建てられています。
記念碑がある船浮は行くだけでイリオモテヤマネコがいそうな雰囲気があるので、時間がある方は行ってみてもいいかもしれません。
↓ イリオモテヤマネコ発見捕獲の地について ↓
西表島のナイトサファリツアーでも
イリオモテヤマネコに出会える?
イリオモテヤマネコに会いたい方は、是非ナイトツアーに参加してみてはいかがでしょうか?
遭遇する確率は低いですが、もしかするとイリオモテヤマネコに出会えるかもしれません。
*実際、ナイトツアー中に偶然イリオモテヤマネコを見たという例が数回あります。
西表島はイリオモテヤマネコだけじゃない
ナイトツアーで珍しい動植物を観察!
「東洋のガラパゴス」と呼ばれる西表島の夜のジャングルでは貴重な動植物を見ることができます。
例えば、ヤエヤマオオコウモリや絶滅危惧種に指定されている「ヤシガニ」に高確率で出会えます。
↓ ナイトツアーについてもっと詳しく ↓
↓ おすすめのナイトツアーはこちら ↓
(冬季)16:45〜18:15所要時間:約2時間8,900円 →7,900円
(冬季)16:45〜18:15所要時間:約2時間8,900円 →7,900円
西表島の夜は、季節限定でヤエヤマヒメボタルや一夜だけ咲いて散る『儚い幻の花』ことサガリバナ、雄々しいカンムリワシ、可愛らしいミナミトビハゼといった本土では見ることのできない生き物に出会えます。
↓ 季節限定ツアーについてもっと詳しく ↓
↓ 季節限定のおすすめプランはこちら ↓
ナイトツアーに参加したら見たい!
日本初の星空保護区の夜空
西表島の夜空は透き通っているので、見える星の大きさと量にびっくりします。
是非、西表島に観光で来られた際は、イリオモテヤマネコを探したり、夜のジャングルを探検してみてはいかがでしょうか?
まとめ
西表島の固有種「イリオモテヤマネコ」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
イリオモテヤマネコは、西表島在住のスタッフも見たことがないレアな生き物ですが、特徴を知っておけば出会えるかもしれません!
西表島にお越しの際はぜひナイトツアーなどに参加して、西表島ならではの生き物を観察してみてください♪
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西表島へはフェリー乗船が必須
フェリーチケットを事前に購入しよう!
西表島へは、八重山観光の拠点である石垣港離島ターミナルからフェリー乗船が必須です。
事前購入なら当日購入窓口に並ぶ必要がなく、桟橋でメールで届いたチェックイン画面(QRコード)を見せるだけで楽々乗船できます。
*お時間の変更やキャンセルも、簡単に出来ますのでご安心ください。
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